08使役犬たちの、その後
引退した警察犬・災害救助犬について知る
働いてきた犬の引退後を考えるときは、まず所属先と現在の飼養者を確認。一般向けの譲渡募集があるとは限りません。
「引退犬」という言葉だけでは、元の役割や現在の暮らしは分かりません。警察犬や災害救助犬の引退後を考えるときは、まず、どこに所属していた犬で、いま誰が飼養しているのかを確認することが出発点です。
はじめてのおうち 編集 · 更新
この記事の要点
- 警察犬には、警察が飼育する直轄警察犬と、民間の飼い主のもとで暮らす嘱託警察犬があります。
- 神奈川県警察では警察犬はおよそ10歳で引退し、元の訓練士の家や職員の家で暮らすと紹介されています。全国共通の譲渡制度ではありません。
- 災害救助犬は民間団体が育成・認定している例があり、引退後の扱いは活動団体の公式窓口で確認します。

警察犬には、どんな種類がある?
警察が直接飼育・管理する「直轄警察犬」と、警察以外の人が飼育・管理する「嘱託警察犬」の2つです(神奈川県警察)。
たとえば長野県警察は、毎年秋に嘱託警察犬審査会を開き、合格した民間の訓練士が飼育する犬を嘱託警察犬として委嘱しています。嘱託警察犬は、ふだんから民間の飼い主のもとで暮らす犬です。どちらの形で活動していた犬かによって、現在の飼養者や相談先は変わります。
警察犬は、どんな仕事をしている?
においを手がかりにした捜査や捜索です。神奈川県警察は、警察犬の仕事を大きく4つに分けて紹介しています。
- 足跡追及:犯人が残した物などのにおいから、犯人のにおいを追う。
- 臭気選別:現場に残された物が、逮捕された人のものかを嗅ぎ分ける。
- 捜索活動:迷子や危険な物などを探す。
- 犯人逮捕活動:犯人を追跡して逃走を防いだり、抵抗する犯人を制圧したりする。
同県警によると、日本警察犬協会が指定する7犬種(エアデール・テリア、ボクサー、ドーベルマン、コリー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリーバー)が警察犬に適しているとされます。一方、ほかの道府県では嘱託警察犬にミニチュア・シュナウザー、チワワ、柴犬、トイプードルなどを採用しているところもあると紹介しています。
警察犬は何歳で引退し、その後どう暮らす?
神奈川県警察は、健康状態にもよるものの、同県警の警察犬はだいたい10歳くらいで引退すると紹介しています。引退後は、元の訓練士の家で飼われたり、県警の職員が里親になったりして暮らしているそうです。
これは神奈川県警察の例です。引退後の扱いは都道府県警察や所有者によって異なる可能性があり、全国共通の譲渡制度として案内されているものではありません。
災害救助犬は、誰が育てている?
民間の団体が育成・認定している例があります。たとえば一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)は、全国の公認訓練所などで災害救助犬を育成し、認定試験に合格した犬を同会の災害救助犬として認定しています。
- 災害救助犬には、地震などの倒壊家屋で捜索する地震救助犬、山岳救助犬、水難救助犬の3種類がある。JKCは地震救助犬の育成に取り組んでいる。
- 基本訓練をおよそ6か月、適性がある犬はさらに1年から1年半の実践的な訓練を行う。
- 認定試験は毎年5〜7回、合格率は約30%。出動可能な認定犬は136頭(2024年4月現在)。
- 認定犬の多くはジャーマン・シェパード・ドッグやラブラドール・レトリーバーなどの大型犬だが、小型の犬種の育成にも取り組んでいる。
- 災害救助活動はボランティアとしての活動で、JKCは各地の自治体と出動に関する協定を結んでいる。
引退した災害救助犬は、家庭に迎えられる?
引退後の扱いや家庭への譲渡の有無を、全国共通の制度として案内することはできません。JKCの育成・認定の案内には、死亡や病気などの理由で認定を返上する犬がいるとの記載がありますが、引退後の譲渡についての説明はありません(2026年9月確認)。活動している団体の公式窓口で確認しましょう。
本サイトには、現在の募集数や応募待ち期間について検証済みの情報はありません。
募集を見つけたら、何を確認する?
- 所属していた機関・団体の公式な案内か、現在の飼養者は誰か。
- 本当に譲渡の募集なのか。ボランティアや支援の募集と取り違えていないか。
- 警察や団体の名前を使った募集は、その機関・団体の公式サイトに同じ案内があるか。
- 健康状態、日々のケア、家庭での生活経験、受け入れ条件が説明されているか。
よくある質問
Q. 自分の犬を嘱託警察犬にすることはできますか? A. 都道府県警察の審査会に合格すれば、委嘱される制度があります。長野県警察の場合、犬種は問わず、県内で飼育・訓練されていること、マイクロチップの装着・登録と犬の登録が済んでいること、1年以内に狂犬病予防注射を受けていることなどが受審の要件です。詳しくは各都道府県警察に確認してください。
Q. 警察犬として働いた犬は、特別なしつけが必要ですか? A. 一律には言えません。訓練の内容、年齢、健康状態によって必要なケアは違います。迎える前に、これまでの暮らしと苦手なことを飼養者に確認し、必要なら獣医師にも相談しましょう。
このページは募集広告ではありません。犬を迎える以外の支援を希望する場合も、各団体が公開している方法と条件を確認してください。
参考にした公式情報・資料
上記更新日に確認。一般的な準備の案内として編集しています。個別の診療・手続きは獣医師や公式窓口にご確認ください。
記事の誤り・更新について知らせる読むことから、迎える準備へ。
暮らしに合う準備と、費用の考え方を確認できます。まだ迎えると決めていなくても大丈夫です。
はじめての方へ:3つの質問から準備する →